常時SSLとは
SSLサーバ証明書を利用して、ウェブページすべてをHTTPSで表示させることを常時SSLと言います。
GoogleやFacebook、Microsoft、Twitter、PayPalなど大手企業はもちろんのこと、現在御覧いただいている弊社SSLサーバ証明書サービスサイトも常時SSL化しています。
常時SSLが推奨されている理由は、通信のはじめから最後までをすべて暗号化通信しないと、サイト利用ユーザーの個人情報やログイン情報を、悪意のある第三者の盗聴を防ぎ、改ざんやなりすましから守ることが困難なためです。
セキュリティ的な対策として、常時SSL化は有効ですが、実はセキュリティだけでなく、常時SSL化をするメリット、しないことのデメリットがあることをご存知でしょうか。
常時SSL化することのメリット
常時SSL化はセキュリティ対策の強化だけがメリットではありません。
HTTP/2.0の利用でページ表示を高速化
HTTP/2.0を利用することでHTTP/1.1の仕様に存在するネックを解消して、パフォーマンスを向上することが可能です。
例えば、コネクション内での通信を多重化して行えるストリームや、ヘッダーの圧縮等が可能なため、ページ表示速度の向上や、利用帯域を抑える事ができます。
ページ表示速度の向上については、多重化の恩恵を受けやすい、1ページに大量の画像を含んでいるページ等でわかりやすく体感できるかもしれません。
HTTP/2.0は主要なブラウザに対応済みとなりますが、SSL通信のみの対応となるので、運用サイトのページ表示速度向上のためにHTTP/2.0を利用する場合は、常時SSL化が必須です。
SEOのランキングシグナル
Googleの検索ランキングのランキングシグナルに、サイトがhttpsであるか否かが要素として含まれています。
ランキングシグナルとして、ページの表示速度も関わってくるので、HTTP/2.0と合わせて利用することで、一定の効果が見込めるかもしれません。
常時SSL化しないことのデメリット
常時SSL化しないことには、以下の様なデメリットが存在しています。
リファラを受け取れない
アクセス解析等で利用するリファラですが、サイトがhttpのままだと、設定やブラウザによっては、参照元のサイトがhttpsの場合リファラを受け取る事ができません。
例えば、Googleをはじめとした主要な検索エンジンでは、httpsでの暗号化通信が行われています。
ユーザーがGoogle検索からサイトを訪れる際に、サイト側がhttpsでないと、リファラを受け取れないので、どこからサイトへ到達したのかがわからず、アクセス解析の精度が下がってしまいます。
サイトのインプレッション向上のために、アクセス解析を利用することは多いと存じますが、検索サイトからのアクセスの多くが、参照元が不明となってしまっては、インプレッション向上のための施策にも影響がでてしまい、ひいては、機会損失につながる恐れもあります。
逆に、httpへ誘導するサイトが、httpsの場合、meta name=”referrer” を利用することで、httpsからhttpのサイトへリファラを渡すことができますので、httpサイトへ誘導することが多いサイトにおいても、対策が可能です。
ブラウザでの注意表示
Googleがhttpsであるか否かを検索ランキングのランキングシグナルに含まれていることは、前述の通りとなりますが、多くのブラウザでは、ログイン情報やクレジットカード情報等の機密情報を入力するページにおいて、httpsでないと注意表示をするようになっています。
注意表示とはなりますが、利用して良いサイトか否かについての不安を与えてしまいかねません。
さらに[Chrome 62]以降では、httpサイト上にある入力フォームにサイト利用者が情報を入力すると、 入力情報が機密情報でなくとも、「保護されていません」と表示されるように、なっています。
例えば、ECサイトの商品検索やヘルプページでの検索等でも、キーワードの入力をテキストボックスで行う場合等、注意表示の対象となりますので、対策が必要です。
また、今後のアップデート情報として、[Chrome 68]以降では、この注意表示が拡大され、全てのhttps未対応サイトで注意表示が行われるようになる予定があると発表されています。
サイト利用者が安心して閲覧できる環境作りのため、常時SSL化をぜひともご検討下さい。